北海道旅行の日程で訪れた「余市蒸溜所」。
前編では、創業当時の面影を色濃く残す重要文化財の建造物群や、国内唯一の「石炭直火炊き」によるこだわりのウイスキー製造工程をじっくりと見学しました。
中編では、有料セミナーでの至高のキーモルト体験と、ニッカミュージアム内の竹鶴政孝の軌跡や、「竹鶴ノート」などの歴史的展示を堪能しました。
ということで後編となる今回は
- 蒸溜所限定品が並ぶ「DISTILLERY SHOP」
- レストラン「リタズキッチン」
- 試飲が楽しめる「有料試飲コーナー」
を巡った際の濃密な体験をご紹介していきます!
前編、中編をまだお読みでない方は、ぜひこちらから先にご覧ください!
[前編]
と【北海道・余市蒸溜所】ニッカウヰスキーの原点へ!見学ツアーと至高のウイスキー体験(前編)
[中編]
【北海道・余市蒸溜所】ニッカウヰスキーの原点へ!見学ツアーと至高のウイスキー体験(中編)
ディスティラリーショップ

「このために余市へ来た」と言っても過言ではありません。
ここでしか買えない限定ウイスキーを購入し、自宅でもじっくりと余市の余韻を楽しみたい。
そんな強い思いから、今回はかなり気合を入れてショップへ挑みました!
実は筆者、ウイスキーの沼にハマるきっかけとなった半年前の宮城峡蒸溜所訪問の際、
ある大きな失敗を犯していたのです……。
宮城峡蒸溜所での失敗談
当時、ウイスキーの知識がまだ浅かった筆者は、お土産として直感だけで「これだ!」と選び、重い思いをして持ち帰ったボトルがありました。
それがこちらです。

知識ゼロの状態で選んで担いで帰ってきたお土産だったのですが、後日、近所の酒屋さんに赴いてみると……
普通に棚に並んでいるのを発見してしまったのです。
「せっかく蒸溜所まで行って買ったのに……!」
と、自身の知識の無さに悔しさを覚えたのを今でも鮮明に記憶しています。
「宮城峡蒸溜所限定ウイスキー」以外は、ザ・ニッカもフロンティアもアップルワインも、見事に全国どこでも手に入る定番ラインナップだったのです。
(一応、アップルワインが限定デザインだったことだけが唯一の救いでした。)
わざわざ旅先の蒸溜所まで足を運び、大切に持ち帰ったお土産が
「あれ、これ地元でも買えるのでは……?」
と判明した瞬間の衝撃は相当なものでした。
しかし、今回はそんな失敗は絶対に繰り返しません。
事前リサーチも完璧です!
今回のターゲットリスト
今回、何としてでも購入したいお目当てのラインナップはこちらです。
・余市 ウッディ&バニラ
・余市 シェリー&スウィート
・余市 ピーティ&ソルティ
・カフェグレーン ウッディ&メロウ
・ピュアモルト レッド
・ピュアモルト ブラック
・鶴
・シングルアップルブランデー 弘前12年
この日のためにしっかりと資金も貯めてきました。
いざ、決戦のショップ内へ!
ショップ内での散策と奇跡の瞬間

入口のブースに陳列されているのは、ニッカを代表するシングルモルトや定番ボトルたち。
一時期は極度な原酒不足により出荷制限や数量制限が行われていましたが、こうして棚に整然と並んでいる光景を見ると実に感慨深いものがあります。

各種 フルボトル 9,500円
ミニボトル 3,500円
そして、ついに発見!お目当ての「余市キーモルト」たちです!
大量に在庫が用意されており、まずは一安心です。
ミニボトルも用意されており、「180ml」とお試しにはちょうど良いサイズ感です。

ピュアモルト 各種 4,000円(税込)
ピュアモルトはブラッグもレッドも確保。

ウッディ&メロウ 9,500円(税込)
探していた「カフェグレーン ウッディ&メロウ」もしっかりと確保しました。
ピュアモルトもカフェグレーンも写真を撮り忘れたので購入したものを後ほど写真に納めました。
問題は、超極上ボトルの「鶴」と「アップルブランデー 弘前12年」があるかどうか……。
棚を確認してみるものの、どちらも入荷されていない様子。
やはりそう簡単には手に入らないか……と諦めかけたその時でした。
ショップのスタッフさんが、何やら台車を押してこちらに向かって来られます。
なんと……その台車に乗せられていたのは、まさに「鶴」!目の前で奇跡的に再入荷されたのです!

鶴 25,000円(税込)
お値段は25,000円と決してお安くはありませんが、これは迷わず買い一択です!
こうしてお目当てのウイスキーをほぼすべてカゴに入れることができ、大満足でレジへと向かいました。
アップルブランデー弘前12年は本日は入荷されていませんでした。残念!
驚愕の会計……!
レジに並び、スタッフさんが金額を打ち込んでいくのを見つめていると、表示された数字に思わず目が飛び出そうになりました……!

なんと、合計金額は余裕の9万円オーバー!!笑
ビビりつつも、二度とないかもしれないこの一期一会を噛み締め、支払いを済ませました。

最後にニッカの象徴である「キング・オブ・ブレンダーズ」をカメラに収め、達成感に包まれながらショップを後にしました。
レストラン「RITA’s KITCHEN(リタズキッチン)」

時計を見るとちょうど12時半すぎ。
小腹も空いてきたところで、敷地内に併設されているレストラン「RITA’s KITCHEN」へ入ってみることにしました。
創業者の竹鶴政孝を支え続けた妻・リタの名が冠されたこのレストランでは、リタの手料理レシピを再現したメニューや、北海道の新鮮な食材を活かした料理が楽しめます。
もちろん、余市のウイスキーや、リタが愛飲・作成していたドリンクをイメージしたオリジナルハイボールなども用意されています。
期待を胸に入店しましょう。
入店

店内へ足を踏み入れると、まず目に飛び込んでくるのがリタに関する展示です。


リタへの愛と感謝を込めて作られた名酒「スーパーニッカ」。
その貴重なヴィンテージボトルたちが美しく飾られていました。
展示を眺めながら待っていると、すぐにスタッフの方が席へ案内してくださいました。

席に着くと、ウェイターの方から可愛らしいデザインのコースターをいただきました。
実に洗練されたコンセプトを活かした空間です。
店内はお昼時ということもありほぼ満席。
筆者が着席した直後にも続々とお客さんが押し寄せてきたため、まさに間一髪のタイミングでした。
目移りする魅力的なメニュー

さて、何をいただくかメニューをじっくり吟味していきます。

まず目に留まるのは、北海道の旬の地物食材をふんだんに使ったコース料理。
実に美味しそうです。

続いてのページには、名物のローストチキンやリタの再現料理が並びます。
事前に公式ホームページでチェックしていましたが、やはりこのページのメニューは一段と華がありますね。

さらにおつまみメニューへ。
ポットスチル(蒸溜器)の形をしたスモーク器の写真があります。

デザートも魅力的です。
竹鶴ウイスキーを上からかける大人なソフトクリームなどもあり、
「これは食べたら絶対にとぶだろうな……」
と感じさせるラインナップです。


もちろんウイスキーのラインナップも完璧です。
ここでしか味わえない「シングルカスク余市10年」のテイスティングセットや、蒸溜所限定ウイスキーがずらりと並びます。


中にはリタが作っていたレモネードをイメージしたハイボールなどもあり、どれも魅力的で目移りしてしまいます。
早速注文していきましょう!
彩り豊かなドリンク&お料理の数々
まずは頼んだドリンクメニューからご紹介します。

レモネードハイボール 850円
リタがよく作ってくれたレモネードをイメージしたという、甘酸っぱく爽やかなハイボールです。
レモンとハーブが添えられており、香りが非常にフレッシュ。
スーパーニッカのロゴが入ったグラスも格別な雰囲気を演出してくれます。

リタハイボール 800円
甘口のアップルワインを炭酸で割った、フルーティーなハイボールです。
中には凍らせたりんごがごろごろと入っています。
少しりんごが食べにくく感じられたものの、甘やかで爽快な味わいは最高でした!
続いて、彩り豊かなフードメニューをご紹介します。

ローストチキン 1/4 CUTプレート1,280円
リタの調理法を参考に作られたというオリジナルローストチキン。
じっくり炒めた玉ねぎ、セロリ、ハーブ、十勝ブラウンマッシュルーム、じゃがいもを丸鶏に詰め込み、香ばしく焼き上げた一品です。
ナイフを入れると肉質はホロホロと柔らかく、実にジューシーでいくらでも食べられてしまいそうです。
鶏の旨みが限界まで染み込んだスタッフィングのじゃがいもも絶品でした。

ポットスチル スモークディッシュ 1,680円
ウイスキーファン、ポットスチル好きには堪らない見た目の一品です!
可愛らしさ満点のビジュアルで、
「この器ごと持って帰りたい!」
と感じてしまうほどでした。(もちろん持ち帰れませんが笑)
隙間からモクモクと煙が立ち上る演出も実に良いですね。

蓋を開けると、スモーキーな香りとともに燻製された具材たちが登場。
どの具材も非常に美味しかったのですが、中でも特に印象的だったのがラム肉の燻製です。
羊肉特有の臭みは一切なく、程よいスモーク感がハイボールの味わいを引き立ててくれました。

カナッペ 750円
リタのレシピを再現した「チーズオニオン」と、北海道産鶏の「レバーペースト」を使用した2種類のカナッペです。
チーズオニオンとサクサクの生地の相性が抜群で、一瞬で完食してしまいました。
レバーパテも臭みがなく、レモンを少し絞ると非常に爽やかな口当たりとなり、ハイボールとの相性は文句なしにGOODでした!
初めて訪れた「RITA’s KITCHEN」。
余市蒸溜所の世界観と歴史を五感で堪能できる素晴らしい体験となりました。
有料試飲コーナー(テイスティングバー)

美味しい食事を済ませ、最後に向かったのはニッカミュージアム内に併設されている
「有料試飲コーナー」です。
ここでは、ニッカが誇る多彩なウイスキーを10mlから手軽に楽しむことができます。


バックバーにはズラリと圧巻のボトル群が鎮座しています。
今回、筆者が厳選して注文した4杯はこちらです!

・ニッカ カフェジン
・宮城峡 シェリー&スウィート
・ニッカ シングルカスク 余市10年
・ニッカ シングルアップルブランデー 弘前12年
豪華すぎるラインナップです。
じっくりと味わっていきたいと思います!
ニッカ カフェジン
最近ジンが持つ奥深い魅力にも開眼しつつあるため、ニッカが誇るクラフトジンも試してみました。
複雑な柑橘の爽やかさとフルーティーな香りが鼻をくすぐります。
味わいはキリッとしたドライジンでありながら、後味にどことなく優しい甘みが残ります。
伝統的な「カフェスチル(連続式蒸溜機)」で蒸溜された原酒ならではの丸みが活きているのだと感じられました。
宮城峡 シェリー&スウィート
中編のセミナーにて余市の「シェリー&スウィート」を堪能したため、宮城峡の同キーモルトとどのような違いがあるのか比較してみたくなり注文しました。
飲み比べてみると、結果はまさに「全くの別物」!
余市の重厚さとは対照的に、宮城峡らしいスムースで華やかな味わいが際立っており、非常に心地よく飲めてしまう魅力的な一杯でした。
ニッカ シングルカスク 余市10年
今回の試飲で最も楽しみにしていた至高の1本です。
日頃から酒屋さんを巡っていても、年数表記のある余市にお目にかかれる機会はまずありません。
貴重な体験に心躍らせながら香りを確かめると、蜂蜜を思わせる濃厚で甘いアロマが広がります。
口に含んでみると、力強いピート感以上にリッチなフルーツ感が前面に出ており、思わず唸ってしまうほどの美味しさでした!
ニッカ シングルアップルブランデー 弘前12年
先ほどのショップでは手に入れることができなかったため、試飲で体験できることに感謝しつつグラスへ手を伸ばします。
口に含むと、熟成されたりんごの深みのある香りと、上品な甘さのハーモニーが際立ちます!
「やはりこのボトルも欲しかったな……」
としみじみ感じさせられました。
次回訪問時の楽しみにしたいと思います。
4杯すべてを綺麗に飲み干し、有料試飲は終了。
どれも素晴らしく、ウイスキー好きとして忘れられない貴重な体験となりました。
物語の余韻を残す「リタロード」

これにて余市蒸溜所での全てのウイスキー体験が終了となりました。
「絶対にまた訪れたい」と強く思いながら蒸溜所を後にし、帰り道でふと目に入ったのが「リタロード」です。
ニッカミュージアムの展示にも登場していたこの道は、蒸溜所のすぐ目の前を走るメインストリートです。
北海道余市町が中心となり、1988年(昭和63年)に整備・命名されたものだそうです。
リタが生前、夫である政孝のために蒸溜所へお弁当を届けたり、余市川の周辺を散歩していたゆかりの道にその名を残すことで、竹鶴夫妻への地域からの感謝と親愛の意が込められています。
二人の歩んだ愛と情熱の歴史に思いを馳せながら歩く道は、旅の締めくくりに相応しい温かい余韻を与えてくれました。
まとめ

蒸溜所にて購入したウイスキーたちが届いたのはちょうど北海道旅行から帰った日でした。
楽しみで自宅のショーケースに並べたところ様になっていて大歓喜でした。
大切に飲みます…
今回、余市蒸溜所の訪問記を「前編」「中編」「後編」の3部作に分けてお届けしてきました。
歴史ある建造物を巡る見学ツアーから始まり、有料テイスティングセミナーでのブラインドテスト、ニッカミュージアムでの深い歴史学習、ショップでの限定ウイスキー爆買い、そしてリタズキッチンでのグルメと試飲バーでの至高の体験……。
ウイスキー好きとして、まさに夢のような時間を過ごすことができたことに心から感謝しています。
皆さんも北海道へ訪れる機会があれば、ぜひニッカウヰスキーの原点である「余市蒸溜所」へ足を運び、その歴史と至高の味わいを体感してみてください!
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